労働基準法では、男女同一賃金の原則と題して、賃金に関してのみ男女差別を禁止しています。
日本では従来、男性労働者と比較して低位であった女性労働者に対して、社会的・経済的地位の向上を実現するため、賃金に関する差別の廃止という面から改善を行うこととなりました。
労働基準法では、女性差別に関しては賃金についてのみを禁止しているという事になります。
それでは、3分でわかる男女同一賃金の原則を解説していきます。
労働基準法の男女同一賃金の原則とは?
労働基準法の第4条は、以下のように定められています。
使用者は、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならない。
つまりこの第4条では、「賃金」についてのみ、男女差別を禁じていることになります。
賃金以外の労働条件について女性であることを理由とした差別的取扱いについては本条違反とはなりません。
この第4条に違反した場合には、6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せらることになります。
ちなみに賃金以外の差別については労働基準法で禁止されていないなら、それ以外の差別は問題ないかというと、そうではありません。
賃金以外の労働条件についてを女性であることを理由に差別することは、男女雇用機会均等法で禁止されています。
ただし、男女雇用機会均等法には罰則はありません。
なお差別的取扱いには、不利に取扱うだけでなく有利に取扱う場合も差別となります。
注意してください。
女性であることを理由とした賃金の差別について
労働基準法第4条で定められた男女同一賃金の原則では、労働者が女性であることを理由として、賃金について、男性と差別的取扱いをしてはならないということを前途で説明しました。
この第4条でいう「賃金」は、給与として払う賃金の額だけではなく、会社の給与体系や給与設計なども含まれます。
例えば、男女でそれぞれ異なる賃金昇給表を設けることや、男性にのみ支給する諸手当制度を設計することは、この法律に違反します。
当然、男性にのみボーナスを支給することは本条違反となります。
逆に女性にのみボーナス支給することも違反となりますので注意が必要です。
6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金に処せらることになります。
まとめ
以上、労働基準法に定める男女同一賃金の原則について解説しました。
この法律では女性の賃金についてのみ差別を禁止していますが、賃金以外の労働条件、例えば昇進の基準等について女性であることを理由に差別をしても問題ないかというとそうではありません。
男女雇用機会均等法によって、賃金以外の労働条件についても差別を禁止しています。
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