労働基準法では、職場での差別を禁じています。
ただし、この法律に接触する場合の「差別」については、ある一定の定められた理由に対しての差別を禁止しているのです。
日本の企業の健全な成長を後押しするにはとても重要な法律となります。
当てはまるのではと心当たりのある人がいない事を祈りながら、本日も1分最速解説を幕開けします。
目次
労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として差別的取扱をしてはならない!
まずは労働基準法に定められた差別的取扱いを禁止した均等待遇についての条文をご紹介します。
使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない。
均等待遇とは、仕事の内容・責任・転勤等の条件が同じである労働者については、その待遇は同じにしなければいけないということです。
「差別」とは、労働者を不利に扱った場合は当然ながら、有利に扱う事も、「差別的取扱」となりますので注意が必要です。
もう一点注目すべき点として、労働基準法第3条は、国籍・信条・社会的身分を理由とした差別的取扱を禁止しているわけで、
それ以外を理由とした差別については、禁止していないという点です。
国籍・信条・社会的身分とは具体的にどういうことか
「国籍」を理由とした差別については、言葉の通り、労働者の国籍によって、労働条件が有利になったり、不利になったりしてはいけないということです。
「信条」とは、特定の宗教や政治的信念のことを指します。
「社会的身分」とは生まれ持った生来的な地位をさします。
アルバイトと正社員との関係などを指しているわけではありません。
つまり役職や職責などで待遇に差をつけることについてを禁止しているわけではないのです。
募集時や採用する前に国籍・信条・社会的身分を理由とした差別は違法とはなりません
募集時や採用する前に国籍・信条・社会的身分を理由とした差別は違法とはなりません。
労働基準法第3条均等待遇についての規定は労働者に適用される規定ですので、募集の段階では適用されないとされています。
あくまでも雇入れ後の労働条件についての規定であり、雇入れを制約しているわけではないのです。
つまり、採用時に国籍・信条・社会的身分を理由として不採用とすることは、労働基準法第3条には接触しないことになります。
ただし、それ以外の法律により「法的な責任」を問える余地はありますので注意が必要です。
まとめ
労働基準法第3条における「均等待遇の原則」についてでした。
企業は契約締結の自由を持っており、特定の思想、信条の者の雇入れを拒んだとしても、直ちに違法となるわけではないという判例もあります。
いずれにしても、今後の日本社会がより働きやすい環境になることが何よりも重要なファクターであることには変わりありません。 現代社会では、もはやありえないことかもしれませんが(願望)、暴力や金銭的な圧力、例えば借金を背負わせることで本人の意思に反して無理やりに働かせるなど、奴隷のような労働を強いた場合、労働基準法では最も罪 ... 続きを見る 会社にはそれぞれ会社独自のルールがあります。それが社長の頭にだけあって、ころころと変わるようなものはルールとは言えませんね。 きっちりと文章にて明文化して従業員の誰もがいつでも確認できないといけません ... 続きを見る
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