【速報】36協定届・社会保険・助成金など行政手続きで押印や署名が廃止になります！

2021年1月現在で、行政手続きにおいて押印が必要な項目1万5千件ありますが、

その９９％以上の手続きについて、押印や署名を廃止していくことが、

国家戦略特別区域諮問会議と規制改革推進会議の合同会議にて示されました。

今回は、速報です。

社労士業務の手続きに関しての押印事情について解説していきます。

労働基準法に関する届出の押印廃止について

労働基準法に関する届出に関しては、約30種類の様式で会社の押印が必要とされていました。

今回これらの押印等の廃止に向けて、2020年12月22日に改正省令が公布され、2021年4月1日に施行されることになりました。

代表的な届出書類といえば、「時間外労働・休日労働に関する協定届」いわゆる「36（サブロク）協定」や

「変形労働時間制に関する協定届」「貯蓄金管理の労使協定」などがあります。

今後はそれらの届出について事業主印や労働者の押印が不要とされていくことになります。

ただし過半数代表者の記載欄のある書式については、法令に則り適切に選任をしているかを確認する為のチェックボックスへのチェックが必要となります。

協会けんぽの健康保険に関する届出の押印廃止について

協会けんぽは新型コロナウィルスの感染防止のため、一部の届出においては、事業主の押印や署名を省略できると発表しています。

しかし傷病手当金支給申請書や出産手当金支給申請書については、届出の不正防止の観点から、

事業主の押印や署名が引き続き必要となりますので注意が必要です。

ただし、法務局が発行する法人の印鑑証明書や印鑑カードの写しを届出に添付することで、

事業主の押印や署名が不要となります。

年金事務所へ提出する社会保険関連の書類について

社員が入社した場合や退職した場合には、厚生年金保険や健康保険の資格取得や喪失の手続きをします。

これらの手続きについては、事業主の署名により押印の省略が可能となっています。

今後は、全面的に押印が廃止される方向ですすんでいく事が予想されます。

ただし、金融機関の届出印を確認する為の「保険料口座振替納付（変更）申出書」については今後も押印が必要とされています。

また日本年金機構は、新型コロナウイルス感染症の感染防止のため、当分の間、暫定的に事業主の押印または署名を求めずに、その届出を受理すると発表しています。

まとめ

以上、2021年現在の行政手続きにおける署名や押印事情についてをまとめました。

コロナによる迅速な手続きが求められる中、事業主印が必要であったり、労働者代表の署名が必要だったりでは、

会社の業務が停滞してしまいますので、その意味では今回の押印不要の流れは良いのかもしれませんが、

それに比例して、不正が増えてしまうことが問題となるかもしれません。

助成金の書類に関しても今後は会社や労働者の押印や署名が不要となっていきます。

不正を防止するための政策についても注目が必要です。