目次
不妊治療を行う社員の休暇を与える事業主に対しての助成金制度が発表されました
現在の日本が抱えている問題の一つ少子高齢化が進行する中、出産・育児についての助成金だけではなく、満を持して不妊治療に対しても支援制度が発表されました。
今回はこの「両立支援等助成金（不妊治療両立支援コース）」の内容について、3分で分かる徹底解説をしていきます。
助成金申請の対象となる事業主とは？
会社の労働者が不妊治療を行う際に利用可能な休暇制度・両立支援制度について、下記の①～⑥のいずれか又は複数の制度を、利用しやすい環境整備のための取り組みとして実施し、不妊治療を行う労働者に休暇制度・両立支援制度を実際に利用させた中小企業事業主に対して支給されます。
② 所定外労働制限制度
③ 時差出勤制度
④ 短時間勤務制度
⑤ フレックスタイム制
⑥ テレワーク
両立支援等助成金不妊治療両立支援コース支給要件
両立支援等助成金不妊治療両立支援コースを受給するためには、以下の①～⑤までの全ての条件を満たすことが必要となります。
※社内ニーズ調査とは、不妊治療に対するアンケート調査等を指します
②整備した以下a～bの制度について、労働協約又は就業規則への規定及び周知をすること
a不妊治療のための休暇制度（特定目的・多目的とも可）
b所定外労働制限制度
c時差出勤制度
d短時間勤務制度
eフレックスタイム制
fテレワーク
③不妊治療を行う労働者の相談に対応し、支援する「両立支援担当者」を選任すること
④ 「両立支援担当者」が不妊治療を行う労働者のために「不妊治療両立支援プラン※2」を策定すること
※2 ニーズ調査をもとに治療と両立しやすい環境整備を図るために策定するプランを指します
⑤ 実際に不妊治療のための休暇等制度を利用させること
※性別や雇用形態を問わず、不妊治療を受ける労働者が対象となります。
ただし、助成金受給のためには少なくとも雇用保険被保険者 1 名以上に制度を利用させる必要があります
支給額について
次の通りＡ、Ｂそれぞれが支給されます。
| 要件 | 金額 |
| A最初の労働者が、不妊治療のための休暇制度等を合計５日（回）利用した場合 | 28.5 万円 <36 万円> <>内は生産性要件を満たした場合の支給額 |
| BＡを受給した事業主であって、労働者に不妊治療休暇制度を 20 日 以上連続して取得させ、現職等に復帰させ３ヶ月以上継続勤務させた場合(長期加算) |
28.5 万円 <36 万円> <>内は生産性要件を満たした場合の支給額 |
まとめ
労働者の不妊治療のための休暇を新たに導入することを考えている事業主は、「働き方改革推進支援助成金（労働時間短縮・年休促進支援コース）」も併用することが可能です。
この助成金は、不妊治療等のために利用できる特別休暇制度（多目的・特定目的とも可）を導入した中小の事業主向けに外部専門家によるコンサルティングの費用や休暇制度の導入を取り入れた就業規則等の作成・変更などの導入にかかる経費の一部が上限 50 万円の範囲で支給されることになります。
会社は、国がすすめている制度を積極的に取り入れた場合にはデメリットよりも、メリットのほうが上回ると思われます。
企業イメージも当然向上していくことにもなり、また社員が働きやすい環境となりますので、そうなれば、良い人材も集まる事にも繋がるかもしれません。
-
-
【3分解説】キャリアアップ助成金（正社員化コース）のやり方が簡単にわかる
助成金を広告にする事はあまりありませんので、キャリアアップ助成金を知らない経営者も多いかと思います。 助成金の要件にあった雇用をしていたのに、せっかくもらえた助成金を逃す事になってしまいます。 会社や ...
続きを見る
-
-
【マタハラ被害をなくそう】マタハラ問題となる言動や事例を紹介！仕事と育児の両立をサポート！
マタニティハラスメントという言葉が最近はよく耳にするようになりました。いわゆる「マタハラ」ですね。 今回は、このマタハラについて徹底解説していきます。 最近の労働トラブルの原因としても、このマタハラ問 ...
続きを見る
