協会けんぽ等の健康保険の保険者が「支障がない」と認めたときは、保険者から直接従業員に交付されるようになる?
入社した従業員の社会保険の手続きを行うと会社に健康保険証が送付され、それを従業員に会社が渡しています。
これが今までの流れです。
解説していきます。
健康保険証が会社を経由せずに本人に直接届く事に
入社した時に健康保険証が会社を経由せずに、従業員本人に直接届くということになるようです。
従業員は早く健康保険証が欲しいと思っていいるわけですから、健康保険証の直接交付は非常に理にかなっています。
本来、健康保険証は、法令では保険者から事業主に送付され、それを事業主から従業員に交付すると決められていました。
今回、コロナ禍でテレワークが普及したこと等によって、健康保険証を受け取るためだけに出社するといった煩わしい状況をなくし、あるいは、会社がテレワークの社員へ健康保険証を郵送するといった二度手間を回避するために今回の変更が行われたようです。
「支障がない」と認めたときは、保険者から直接従業員に交付とは?
厚生労働省の発表では、健康保険証を「支障がない」と認めたときは、保険者から直接従業員に交付するとあります。
この「支障がないというのはどのような状況を意味するのかまとめています。
今回の変更によって、保険者は会社に送付すればよかった健康保険証を、従業員の自宅に直接郵送することになるため、事務作業の負担、費用の増加、送付先の住所管理等で、保険者に係る負担が大きくなります。
つまり、直接交付を実施するかどうかは、保険者と事業主と従業員の間で段取りを行い、最終的に直接交付することに支障がない事を保険者が決めることになるのです。
退職をした時の健康保険証はこれまで通り会社が保険者に返却します
会社側としては、入社時に健康保険証を従業員に渡すことに対しては不便さを感じていないかもしれませんが、退職時に退職者からの健康保険証の回収に不便さを感じている場合もあるかもしれません。
通常は、退職日に出社しない従業員には、会社に健康保険証を郵送してもらうか、あるいは、持参してもらうことになります。
これに関しては、変更はありません。
従業員から直接保険者に返却はできませんので、ご注意ください。
今回の変更は交付時の対応です。
退職をしたときにはこれまで通り、会社が従業員やその家族の健康保険証を回収して、保険者に返納する必要があります。
まとめ
2021年10月から保険者が支障がないと認めたときに限り、保険者から従業員に健康保険証を交付することができるようになります。
就職した際は、これまでよりも早く健康保険証がお手元に届くことになりますので、労働者としてはありがたい変更となります。
ただし、資格喪失時つまり退職の際は、これまで通り事業主が回収し、保険者に送付する必要がありますので注意が必要です。
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